
※執筆時、筆者はメーカー関係者ではありませんでしたが、
現在はカメラ関係の職にあるため、必ずしも公正な立場の記事であるとは言えません。
2014年1月時の個人的意見である事にご注意の上、閲覧頂ければと思います。
今日の記事は、一眼レフとかミラーレスとかよく分かんないし、どれを買ったら良いのか悩んでいる人向けです。一眼レフとミラーレスとコンパクトカメラの違いについて、なるべく簡潔に詳細に書きたいと思います。
言いたい事を最初に言っておきます。
一眼レフ、ミラーレス、コンデジと3種類ありますが、高感度への強さとボケの強さはそれとは関係なくセンサの大きさできまります。一眼レフだから綺麗という考えは直接は成り立ちません。しかし、ミラーレスは一眼レフよりも小さくできますが、ピント合わせの速度が現状では追いついていません。あと光学ファインダーが使えるのは一眼レフだけです。ここに挙げた3種類の選択は写真を撮る時の操作性に大きく関わって来るので、使いやすさや機能性で選びましょう。一眼レフの場合は心配ないですが、ミラーレス、コンデジを選んだ場合、それとは別にセンサの大きさについても考える必要があるでしょう。
では本編どうぞ。
デジタルカメラには大きく分けて3種類あります。
- デジタル一眼レフカメラ
- デジタル一眼カメラ(ミラーレス)
- コンパクトデジタルカメラ
そしてそれぞれのカメラには入門用(一眼だとエントリーモデル)と高級向け(ハイエンド、プロモデル)のものがあります。
一眼レフというのは、中に鏡(レフ板)が入っているからレフと呼びます。これはセンサーにあたる光を曲げてファインダーで見るためのものです。昔はデジタルではなく、フィルムを使っていたため、カメラが撮る映像をそのまま見る事ができませんでした。そのため、鏡とプリズムを使ってファインダーから映像を見られるようにしたのです。コンパクトカメラの場合、ファインダー用に別の窓を用意する必要あり、実際の写真とは微妙にずれが生じてしまいます。写る写真の図をそのまま見る事ができる点で一眼レフは有利でした。

これに対して、デジカメが登場してから新しく登場したのがミラーレス一眼と呼ばれるものです。レフ板がないのでミラーレスまたはデジタル一眼と呼ばれます。ミラーレスでは、センサーに写った映像を電子ファインダーで映します。あれ?コンデジのファインダーと一緒じゃない?と思った人、正解です。
機能面で複雑な設定を行う事ができる種類が多いですが、根本的にミラーレスがコンパクトカメラと違う点はレンズ交換ができる事のみです。
- 「一眼レフ、ミラーレス」 と 「コンパクトデジカメ」の違い
レンズを交換する事ができる。撮影時に色々設定できるものが多い
さて、では次にそれぞれの有利な点、不利な点を挙げていきます。
- 一眼レフのメリット
ピント合わせ(AF)が桁違いに速い(理由は割愛、AF方式の違いによるもの)
光学ファインダーなので、デジタルファインダー遅延がない、電力消費が少ない、綺麗に見える
ミラーレスよりも交換レンズの種類が多い - 一眼レフのデメリット
大きい
レフ板が動くので僅かな振動のブレが生じる(シャッターショック) - ミラーレスのメリット
一眼レフと同様にレンズ交換が可能
レフ板がないので小さな設計が可能、レフに比べ故障が少ない
古いレンズを装着可能 - ミラーレスのデメリット
ピント合わせがコンデジと同じ速度でレフ機に比べて遅い
電子ファインダーなので遅れがある - コンデジのメリット
小型化が可能
レンズ交換ができないので、その分、そのカメラに特化した性能の良いレンズをメーカーは付けている。(上級機は特に) - コンデジのデメリット
レンズ交換ができない
ミラーレスの不利な点と同じ
画質の事を書いていませんが、画質とこれら3つのカメラの種類とは実は関係がありません。写真の画質自体は、カメラの機構ではなく、センサによるからです。ただし、画質はセンサだけで決まる訳ではなく、レンズによっても大きく変わり、また写真の質は使いやすさにも影響されるため、それだけではありません。
センサは大きければ大きい程、画質が良く、高感度に強いです。
一般的に、一眼レフの方が大きいセンサを採用しています。逆にミラーレスやコンデジでも一眼と同等の大きさのセンサを使っているものや、ミラーレスでも小さいセンサを使っているものもあります。なので上記3種類とは関係なく、カメラ選びにはセンサの大きさに注目して下さい。
- センサが大きいことの有利な点
暗い所に強い
ボケやすい - センサが大きいことの不利な点
カメラが大きくなる
一眼の場合交換レンズが大きくなる
センサの隅々まで光を送るのが難しい(レンズの小型化が難しい) - センサが小さいことの有利な点
高倍率ズームが小さく作れる - センサが小さいことの不利な点
ボケにくい
暗所に弱い
3つのカメラの機構の違いによるメリットデメリット、センサの大きさの違いによるメリットデメリットを理解して頂けたと思います。
では、具体的な各社カメラのセンサーのサイズですが、
- 一般的な一眼レフ(中判除く)はフルサイズからAPSーCの間のサイズ。どれでもセンサが大きいので間違いがないです。
- ミラーレスで大きいセンサを使うのはCANONとFUJIFILM、SONYのAPS-C。最近ではSONYがフルサイズを出しました。逆に小さいのはNikonのミラーレスやPENTAXのQシリーズ等です。
- コンデジで大きいセンサを使うのは、ペンタックスリコー「GR」、ソニー「DSC-RX1」、ニコン「COOLPIX A」、富士フイルム「X100S」、キヤノン「PowerShot G1 X」 等です。
まとめ
- ミラーレスとコンデジの違いはレンズ交換ができること
- センサが大きい程高画質
- センサが小さければ高倍率、小型化が可能
- 一眼レフは大きなセンサを採用している。
- ミラーレス、コンデジでも一眼レフと同等の大きさのセンサを採用するものがある。各社で使っているセンサのサイズが違う
- 一眼レフはAFと光学ファインダでは絶対的な優位性をもつ
以上を踏まえた結論です。上のメリットデメリットを理解すれば、基本的に後悔はないと思いますが、まとめておきましょう。
- 一眼レフおすすめユーザー
レンズ交換を楽しみたい
大きくても気にしない、むしろ良い
センササイズを気にせずに、とにかくボカしたい
レフ板とか構造的なものに惹かれる
速いものを撮りたい(鳥、スポーツ等)
お客さん相手の仕事の人(お客さんの安心感) - ミラーレスおすすめユーザー
レンズ交換したいけど重いのは嫌
各社のセンササイズの違いを考慮できる
昔のレンズを使って安く楽しみたい
舞台や演奏会等、音を立てずに撮りたい。 - コンデジおすすめユーザー
ポケットに入れたい
望遠のある小さいカメラが欲しい
ボケはそんなにいらない(必要ならセンササイズに注目する)
下のコメント欄で質問、要望や、それ違うんじゃないの?といった意見もあれば、是非書きこみお願いします。
ミラ-レス一眼の意味がよくわかりました。
ピント合わせ(焦点)(遠近での)ボケを任意でだすには
デジタルミラ-レス一眼でも
マニュアルでできるのでしょうか。
逆に純正レンズだと自動ピント合わせなのでしょうか。
>ライトバンさん
ご質問ありがとうございます。hawkshawです。
マニュアルというのは「ピント合わせが自動orマニュアル」のことでしょうか?
それとも「絞りやシャッタースピードの設定が自動orマニュアル」のことでしょうか?
この場合、ボケに関係するのは「絞りやシャッタースピードの設定がマニュアル」
かどうかです。レンズが純正かどうかは関係ありません。
そして、デジタルアナログ関係なく、ボケをどれだけ出せるかはレンズの「開放F値(F1.8など)」がどれくらい小さいかによりますが、
絞り優先(Aモード)もしくはマニュアル(Mモード)のいずれかでボケ量を調整することができます。
また疑問などありましたらいつでも聞いていただけたらと思います。